スギ花粉症に対する舌下免疫治療法(シダトレン)

2015/08/27

シダトレンは2021年3月31日で販売中止となります。2019年6月以降の新規の開始はシダトレンでなく、シダキュアとなります。現在シダトレンを服用中の患者様はこちらのページをご確認ください。シダキュアについての詳細はこちら

舌下(ぜっか)免疫治療法とは

スギ花粉症の人の舌の下に、アレルギーを起こす物質(アレルゲン)であるスギ花粉の液(アレルゲンエキス=シダトレン)を低濃度、少量から投与し、徐々に増量、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法です。
約3年間、花粉の飛散時期以外も、毎日継続して、自分で、アレルゲンエキスを舌下に滴下し、維持量となってからも1ヶ月に1回の外来通院の必要があります。
即効性はありません(効果発現までに少なくとも数週間は必要です)。
 また、投与を受けた全ての方に効果が期待できるわけではないこと、効果があって終了した場合でもその後効果が減弱する可能性もあることへのご理解が必要です。
 初回以外は自宅で服用するため、副作用出現時の対処をご理解いただく必要があります。
当院では基礎疾患の有無にかかわらず開始年齢上限は70歳未満とさせていただいております。
以上をご承知置きの上で、治療の適応のある方はご相談ください。

治療の対象となる方

スギ花粉症(アレルゲン検査で陽性)の方で、
・12歳以上の方
・長期(少なくても2年以上)にわたって毎日薬の服用が出来る方
・定期的に通院できる方(薬を処方するため、1ヶ月毎に通院が必要です)
 

治療の対象とならない方

・花粉症の原因がスギ花粉ではない方
・全身性のβ阻害薬を使用している方
・妊娠中の方
・重症の喘息を合併している方
・全身性の重篤な疾患を有する方
  ①悪性腫瘍
  ②重症の心疾患
  ③自己免疫疾患
  ④免疫不全症
  ⑤慢性の感染症の方
・全身ステロイド薬や抗癌剤を使用中の方
・急性感染症に罹患中
・歯科矯正を含め、口内に傷や炎症がある方
 

治療方法

①「採血検査」にて「スギ花粉アレルギー検査」を受ける
② 院内にて初回投与、30分間は院内で経過観察を行います
③ お薬の増量期間(2週間):自宅で服用
④ 維持期(定期的に受診):自宅で服用
 

治療開始時期について

治療はスギ花粉飛散終了後の6月頃~11月初旬までに開始することが勧められています。
花粉飛散が始まる直前に治療を開始すると効果がでないだけでなく、安全性にも問題があります。
 

費用について

医院での治療費と薬局での薬代と合わせて1ヵ月あたりおおよそ1,200円ぐらい(保険適応3割負担、1ヶ月に1回通院の場合)になります。その他、検査費用5,000円程度かかります。
舌下免疫療法を行っていてもスギ花粉が飛散する時期に症状が出る可能性があります。その場合にも症状を抑える薬代などが必要になります。他の薬を飲まなくてすむ治療ではなく、少ない併用薬で症状を減らす治療です。
 

注意点

舌下免疫療法は、始めたらすぐ効くのではなく、体質を改善する治療です。長い期間かけて少しずつ良くする治療です。また、10%~20%の人には効果が低いと言われています。まず3年をめどに開始し、効果のある方には4-5年の継続を勧めています。

シダキュアをお考えの方へ

2019年6月以降にシダキュアへの変更検討をお勧めします。こちらのページをご確認ください。
シダキュアの詳細のページはこちら

WEB予約について

舌下免疫療法を開始後、維持期に入られた方で、シダトレンの継続処方のための診察の場合のみ、平日は時間予約も可能です。時間予約に関しては守っていただきたい注意事項もございますので、必ずこちらのページをご確認ください。
 

新聞記事(参考資料)