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重症花粉症の方で、既存治療で効果が不十分な方への抗体医薬ゾレアについて

2021/10/20

既存治療で効果不十分な重症・最重症の季節性アレルギー性鼻炎患者さん(重症花粉症)に限り、抗体医薬ゾレアでの治療が可能です。
重症・最重症は「鼻アレルギー診療ガイドライン」に基づきます。
ご自身の症状が該当するかを下記「ゾレアの投与を受ける条件」を参照ください。

ゾレアについて

「ゾレア」は、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体です。

アレルギー反応に関与しているIgEに直接結合し、その作用を特異的に阻害することで、アレルギー炎症反応を抑制します。

ゾレアの投与を受ける条件

  1. 過去の治療でステロイド点鼻薬と内服の薬を併用しても効果が不十分で重症または最重症の状態であった
  2. スギ花粉飛散直前の血液中の総IgE値が30~1500IU/mlの範囲にある
  3. アレルギー抗体(スギ花粉)に対して陽性反応を示す
  4. 12歳以上で体重が20~150㎏の範囲にある
上記を満たす場合は、投与できるかを医師が判断し、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(内服薬)に追加して投与します。

ゾレアの投与量

1回75~600㎎を2週間または4週間ごとに医療機関を受診して皮下に注射します。
投与量と投与期間は、体重と初回投与前血清中総IgE 濃度によりますので患者さんごとに異なります。

副作用と注意すべき症状

重大な副作用として、頻度は不明ですが「ショック、アナフィラキシー」があります。
息苦しい、意識低下、舌や唇、喉の腫れなどの症状です。
重篤な場合は生命を脅かす危険があります。
投与後2時間以内に発現することが多いため、投与は平日午前診療の早い時間に限ります。
投与後、最低30分は院内に滞在していただきます。
そのほかの副作用には注射部位の赤みや腫れ、かゆみ、じんましん、頭痛、嘔気などがあります。

ゾレアの費用

4週間に1回投与の方は3割負担(自己負担)で1か月の薬剤費 4,444円~34,978円
2週間に1回投与の方は3割負担(自己負担)で1か月の薬剤費 26,375円~69,953円
上記はゾレアの薬剤費のみの金額であり、その他にも再診料、併用するヒスタミンH1受容体拮抗薬の処方料等がかかります。(ゾレアの費用については2021年1月末現在の価格で記載しております)
ゾレアの投与量・投与間隔は患者さんごとに異なります。
1シーズンの投与期間は12週間で、投与回数は4週間毎投与で3回、2週間毎投与で6回となります。
ゾレアの費用は高額なため、投与量によっては「高額医療費制度」の対象となる場合もあります。
「高額医療費制度」については全国健康保険協会のこちらを参照してください。
マイナ保険証(健康保険証利用登録を行ったマイナンバーカード)を提出し、「限度額情報の表示」に同意する場合は高額療養費の適用(医療機関窓口での1か月のお支払いが最初から自己負担限度額まで)が受けられます。詳細はこちら
12歳以上のお子さんで医療券をお持ちの方は、義務教育就学児医療費(マル子)も利用できます。

診療の流れ

ゾレアをご希望の方は、一般受診を受けてください。血液検査・アレルギー検査が投与前に必要です。
問診と血液検査・アレルギー検査の結果によりゾレアの投与が可能か判断し、ゾレア投与量を患者さんにお伝えします。そのうえで、患者さんが治療をご希望の場合は、ゾレア投与の初回予約をお取りします。
なお、院内でのゾレアの投与時間は平日11時にしております。それ以外の時間をご希望の方はご相談ください。
1回目の治療時に次回予約を取ります。

その他の注意点

ゾレアによる治療は、原因である花粉の飛散時期に、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(内服薬)に追加して行います。
ゾレア投与中であっても自己判断でほかの処方箋の薬剤を減量または中止しないでください。