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アレルギー性鼻炎・花粉症の方は、アルゴンプラズマ凝固法の治療が受けられます

2015/10/08

アレルギー性鼻炎(特に季節性の方≒花粉症)の方で、投薬治療でコントロール不良な場合、また長期にわたる投薬を希望されない場合、アルゴンプラズマによる下甲介粘膜焼灼術(かこうかいねんまくしょうしゃくじゅつ)を行います。
鼻づまりの症状が強い方には、特に有効な治療法です。

アルゴンプラズマ凝固法(APC)とは

鼻粘膜を非接触で広範囲に浅く、高周波で凝固する装置です。アルゴンガスの流れを用いて抵抗の少ない場所に効率よく電気を集中させるため、施術が短時間で済み、痛みが軽く、また必要以上の焼きすぎを防ぐことができます。
花粉症などのアレルギー性鼻炎に対し効果的な治療法のひとつで、 レーザー治療法と同等以上の効果があるとされています。
「鼻腔粘膜焼灼術・下甲介粘膜焼灼術」は保険適応の治療です。

APCによる下甲介粘膜焼灼の利点(レーザーによる治療より優れた利点)

・手術時間が短い。
レーザーのようなピンポイントではなく、APCは広範囲に焼灼できるため、焼灼自体にかかる時間は、両側合わせても10分くらいで、表面麻酔の時間を合わせても1時間程度

・焼灼の深度が浅いため、痛みも少ない

・焼き過ぎによる合併症(軟骨の壊死など)が少ない。

・費用負担が軽い
3割自己負担の方では手術料のみの比較で、レーザー焼灼術8730円に対し6480円

治療の流れ

外来受診時に、鼻内の状態を確認し、血液検査で、アレルゲンの有無(他院で施行していない場合)、血液凝固異常の有無、院内感染防止のため感染症の有無を検査し、手術の日程をご相談します。季節性の場合は花粉飛散時期の1ヶ月くらい前までに行うのがベストです。
手術当日は麻酔液を浸したガーゼを鼻内に挿入します。2,3回入れ替えて麻酔が効いてきた後、鼻の中に専用のプローブを挿入し、ファイバースコープ(内視鏡)で範囲を確認しながら焼灼を行います。


 

手術後の注意事項

術当日の入浴は控えてください(シャワーは可)。
飲酒や喫煙、重いものを持つことは、術後1週間は控えてください。
術後1週間位は、鼻内を刺激したために逆に鼻がつまった状態になって、鼻水も多くなります。鼻をかむと若干の出血がある場合もありますが、次第に収まってきます。
数日経過すると鼻をかんだ時に大きなカサブタがでてくることがありますが、強くかまないようにしてください。もし、鼻出血が多い際は受診してください。
鼻内の状態が落着くまでは、1週間に1回程度の通院が必要です。
効果の持続は個々の患者さんで異なりますが、1シーズン~3年程度です。症状、所見によっては複数回行う方(「花粉症発症時期の前に毎年」など)もおられます。

治療適応とならない方

妊娠中の方(妊娠時期によっては検討します)
心臓ペースメーカーを挿入している方
抗凝固薬・抗血小板薬(いわゆる「血液をサラサラにする薬」)を内服中の方
採血の結果、血液凝固能に問題がある方
花粉飛散シーズン中(絶対不可ではありませんが術後落着くまでの鼻症状がつらいです)
高度な鼻中隔わん曲症の方では片側のみとなることもあります

費用

両側の焼灼手術を行った場合、手術費用自体は6480円になります(負担率3割の場合)。これに、再診料(花粉症に対しては基本的に初診時には行いません)、処方箋料、ファイバースコープ検査料などが加わります